「 あの課長に騙された。」


パパ夫は " 座って3万 " の店を出て、震える声で電話をかけてきました。





元いた課の同僚からの連絡で、" 本部長と〇〇部長が来るから、飲み会に来るように。" と言われ、出向いていき、案内された席に行くと、そこには、あのパワハラ課長がいました。

そしてその場には、パワハラ課長の取り巻きも同席しており、皆ニヤニヤしながら、パパ夫を見ていました。


パパ夫は、本部長と〇〇部長が来ると思っていたので、促されるまま、仕方なくその席に座りました。



嫌な空気が流れる中、パパ夫が口を開きました。


「 本部長と〇〇部長が来られるそうですね。

そう言われ、こちらに来ました。」


すると、パワハラ課長がニヤニヤしながら言いました。


「 本部長も〇〇部長も来ないよ。

こんな店、お前じゃ滅多に来れないと思って、誘ってやったんだよ。」


パパ夫は、それを聞いて、黙って席を立ちました。

そして、てんしょうに電話をかけてきたのです。


てんしょうは、" すぐに帰っておいで " と言いました。


パパ夫は、" 分かった " と言い、電話を切りました。


店に戻ったパパ夫は、席に置いておいた自分のカバンを手に取り、店のスタッフに向かって " ここの店は、座って3万なんですね " と大きな声で言い、財布から3万を出して、課長の座っている目の前のテーブルに置き、" 今日の事は、労働組合に報告しますので。" と言い、店をあとにしました。


パワハラ課長のグラスを持つ手は、目に見えて震えていたそうです。



帰ってきたパパ夫は、てんしょうに謝ってきました。

「 3万、無駄にしてしまった。すまん。」

てんしょうは、パパ夫の気持ちを思い、パワハラ課長に対する怒りで、心臓が痛くなりました。

それでも、一番辛いのはパパ夫だと思い、パパ夫の気持ちに寄り添う様に接しました。




翌朝、パパ夫はいつもより早く出勤していきました。

そして、労働組合に前日の事を、朝一で報告しました。




明日に続きます。

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