てんしょうが20代の頃の話です。
当時、車で1時間程の所に、地元では有名な心霊スポットがありました。
ある国道を行くとトンネルがあり、そのトンネルの横に、もう一つ小さなトンネルがありました。
国道からそれて細い道を行くと、その小さなトンネルに行けるのですが、夜、そのトンネルを通ると、幽霊が出るというのです。
ある時、知り合いの男性が何人かの友人達と一台の車に乗って、そのトンネルに行く事になりました。
肝試しです。
そのトンネルの途中まで行き、しばらく車を停車させていると、その友人の中の一人がふざけて真っ裸になり、車から降りて、笑いながらトンネルの中を出口に向かって走って行きました。
他の友人達は、面白がって見ていたのですが、突然、運転をしていた男性が、入ってきた方に車をバックさせ、トンネルを出てしまいました。
面白がっていた友人達は、突然の事に驚いて " アイツ ( 真っ裸の友人 ) 置いてきぼり?" と聞きました。
するとその男性、" いや、トンネルの先に何かいた。" と、青い顔で言いました。
友人は、" アイツ、迎えに行かなきゃ。早く車を出せ!" と言い、車を動かそうとしていたら、その真っ裸の友人が泣きながら、何かを叫んで車に向かってきました。
ドアを開け、中に入っても泣き止まず、トンネルを指差し叫んでいるのですが、何を言っているのか分かりません。
尋常ではないその様子に、そのまま車をバックさせ、国道に出る道まで戻りました。
その後、その真っ裸の友人とは、連絡が取れなくなってしまったそうです。
この世には、目に見えない者達が、あちこちに潜んでいます。
ただひっそりと、そこにいるだけの者もいます。
その者達を刺激する様な事は、決してしてはいけません。
心霊スポットと呼ばれる所には、それなりの理由があるのです。
面白半分にふざけて行くと、その者達からの怒りを買い、本当に魂だけを連れていかれてしまうかもしれません。
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