堤防の上には沢山の人が、日の出を待っていました。
一番冷え込む朝の時間、中には毛布にくるまっている人もいました。
プリプリ姉妹とネコのハナちゃんは、波打ち際まで走っていきました。
パパ夫も後ろから追いかけます。
パパ夫 「 プリ子、プリ江、クツが濡れない様に気を付けて!」
プリ子 「 大丈夫!」
プリ江 「 パパ、早く来てー!」
ハナ 「 ミャウ!( お父さん!)」
てんしょうは寒さの為、震えながら、後をついていきました。
てんしょう 「 みんな、元気いいなー。
寒くないのかな?」
おじいちゃん 「 皆、楽しくて、寒さを感じないのでしょう。」
天使さんのおじいちゃんも、てんしょうの隣りでハナちゃんを見守っています。
てんしょう 「 そうですね、きっと。
・・・でも日の出まで、あと15分位ありますから、ちょっとハナちゃん、あっためてきます。冷えたら大変。」
おじいちゃん 「 ありがとうございます。」
てんしょう 「 みんな、寒くないー?
ハナちゃん、ネコさんだから、寒いのに弱いから、ママが抱っこしてるね。」
ハナ 「 ミャウ!( ハナ、大丈夫だよ!)」
おじいちゃん 「 ハナ、お母さんに抱っこしてもらいなさい。」
ハナ 「 ミャウ。( はーい。)」
プリ子 「 プリ子、ハナちゃんの側にいる!」
プリ江 「 プリ江も!」
ハナ 「 ミャウ!( ありがとう!)」
てんしょうは、持ってきていた膝掛け毛布にハナちゃんをくるみ、抱きかかえました。
てんしょう 「 パパ、私のリュックから水筒を出してもらえる?
あったかい紅茶、入れてきたから、プリ子達に飲ませてね。
パパのは、熱いコーヒーが入ってるよ。」
パパ夫 「 おーっ、さすがママ!
プリ子、プリ江、紅茶飲みなさい。」
プリプリ姉妹 「 はーい。」
パパ夫 「 あーっ!あったまるねー!」
プリプリ姉妹 「 あったか〜い!」
てんしょうは心の中で、天使さんのおじいちゃんに話し掛けました。
「 リュックの中に、もう一本水筒があります。コーヒーが入ってますから、どうぞ召し上がってください。」
おじいちゃん 「 ありがとうございます。
でも、てんしょうさんは飲まれないのですか?」
てんしょう 「 私は、車に戻ってから、ハナちゃんと一緒に飲みます。
ハナちゃん、車にあったかいミルクがあるから、後で飲もうね。」
ハナ 「 うん!ありがとう、お母さん!」
天使さんのおじいちゃんは、リュックの中の水筒の分身をお取りになりました。
パパ夫 「 みんな、海を見てごらん。
もうすぐ日の出だよ。」
プリ江 「 わーっ、お空が真っ赤になってる!」
プリ子 「 すごい!きれい!」
ネコのハナちゃんも、くるまれた膝掛け毛布の中から顔を出して、真っ赤な空を見ていました。
「 きれい・・・。お空、きれいだね、お母さん。」
「 そうだね・・・本当にきれい。」
少しずつ顔を出す太陽が、空も雲も海も紅く染めていきました。
" みんな、幸せになります様に。"
てんしょうは、太陽に向かい、そう祈っていました。
明日に続きます。
今日もお読みいただき、ありがとうございます。