一年後    ー 桜咲く季節 ー 。



「 ハナ!走ると危ないぞ!」

「 大丈夫!桜、きれい!」

「 ハナちゃん、気を付けてね!」

「 はーい!」


ハナちゃんは、パパとママと一緒に、家のすぐ近くの公園に来ていました。

満開の桜の下、ハナちゃんは枝から落ちてくる花びらを追いかけて遊んでいました。



「 ねえパパ、ハナ、あと2日したら7才だね。」

「 そうだな。大きくなったなー。」

「 今晩、ちょっと早いけど、お誕生会しない?」

「 それはいいな。最近残業で、帰り遅くなってるからなー。」

「 じゃ、決まりね!」

「 うん、決まり。」

「 そういえばね、ハナ、最近は話さなくなったんだけど、声が出せる様になってから、ずっと夢のお話してたでしょ?」

「 そうだったね。

ネコになったって言ってたね。」

「 私ね、ハナは、本当にネコになってたんじゃないかって思う時があるの。

この前、ネコが出てるテレビを見てて、思い出したんだけどね。

一昨年のいつだったか、この公園の前の道を商店街の方に向かって歩いてた時にね、ネコを自分の上着に入れて、抱っこしている女の子を見かけた事があったの。

ハナよりも少し年上かな?2人の女の子が並んで歩いてて、ひとりの女の子の上着からネコが首だけ出してたの。

ミケ猫だったと思う。

その女の子がね、たぶんネコの事だと思うんだけど、ハナちゃんって呼んでたの。

そのネコね、女の子が何か話すたびに、まるで返事をしているみたいなタイミングで鳴いてたの。」

「 偶然なんじゃない?」

「 うん。そうかもしれない。

でも、ハナの夢のお話を聞いていたら、もしかして、あの時のネコはハナだったかもって、思ったの。」

「 そうか。」

「 ハナ、事故の時の事や、痛みとか、全然覚えてないみたいだし、目が覚めて、話せる様になってからは、ネコになった夢のお話ばかりしてたし。」

「 そうだったな。」

「 ハナが退院してから、リハビリの為に、近くのコンビニまで歩いて、お買い物に行った事があったのね。

そしたらハナ、" これおいしいんだよ " って、ネコのエサを指差したの。

" この青い缶、お姉ちゃん達と買いに行ったの。" って。」

「 ネコのエサがおいしいって・・・。」

「 あの時、道ですれ違った時も、買い物帰りだったのかも・・・。

もう1人の女の子、レジ袋持ってた気がする。」

「 ・・・。」

「 それに、ハナがお姉ちゃんって呼んでた子が2人いたみたいだし、お父さんとお母さんって呼んでた人もいたでしょ?」

「 そういえば・・・。」

「 夢の話にしては、リアル過ぎる気がしたの。

ハナの話だと、ハナの好きなおままごとを一緒にしてたみたいだから、あの時の女の子達、ハナがお姉ちゃんって呼んでた子達くらいの年じゃないかな。」

「 ・・・。」

「 もしかしたら、そのお姉ちゃんって子達、この近所に住んでたりしてって、そうだったらいいなって、思ってしまうの。

ハナ、もうすぐ、入学式でしょ?

そのお姉ちゃん達が、ハナのお友達になってくれたらって。

だって、ハナがお姉ちゃん達の話をする時、とっても楽しそうだったもの。」

「 うん。楽しそうに話してたね。」

「 きっと、その子達、ハナに優しくしてくれたんだと思うの。」

「 うん。」
 




「 パパー、ママー!こっち来てー!」

「 ハナちゃーん!待ってー!」















「 ねえ、ママ。

今、ハナちゃーんって聞こえなかった?」

「 そう?プリ江は聞こえた?」

「 ううん。プリ子、ハナちゃんって聞こえたの?」

「 うん。公園の方から。」

「 そっか。もしかして、ハナちゃんとハナちゃんのママがいたりしてね。」

「 ほんとー?!」

「 どうかなー?

さっ、ミイちゃんがお家で待ってるから、早く帰ろうね。」

「 うん!ミイちゃんが待ってるね!」







                                                           おしまい。

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今日もお読みいただき、ありがとうございます。





本日、最終回となりました " 迷いネコのミイちゃん 〜 夢のお話 〜 " 、いかがでしたでしょう。

てんしょうの、この夢のお話に、長ーくお付き合いくださり、ありがとうございました!


お気付きの方もいらっしゃると思いますが、サブタイトルの 〜 夢のお話 〜 って、ハナちゃんの夢のお話にも掛けていたんですよ!

てんしょうに見せてくださった夢をアレンジして、お話のほとんどをお考えになった神様、" 良いできにございました。" と大層ご満足の様子です。


ご感想等、お聞きしたく思い、コメントは随時お待ちしております!


ちなみに、うちのプリプリ姉妹は ㉜話 からずっと号泣しておりました。

お話の中のプリプリ姉妹と自分達を重ねてしまったのだそうです。

それは、てんしょうにも起きた現象でした。


上の写真は、てんしょうがイメージするネコのハナちゃんに近い子でしたので、載せてみました。

可愛いです♡ ミケ猫ではありませんが。



明日からまた、日々の出来事を綴っていく事になると思いますが、引き続き、天の声とてんしょうをよろしくお願いいたします〜!






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