全国的に猛暑な夏ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか (*^o^*)
てんしょう、暑いのも寒いのも苦手で、冷房の効いた部屋から出ていきたくないのですが、たまにはと思い、夏休みのプリプリ姉妹と共に外出をして、一人グッタリしています (;´Д`A
そんな夏バテてんしょうですが、少し涼んでいただけたらと思い、怪談話など綴っていきたく思います。
はじまり、はじまりー。
昔、ある若い男性が、あてのない旅をしておりました。
あてがないので、泊まる先も決めていません。
野宿をしたり、旅で知り合った親切な人の家に泊めてもらったり・・・。
ある日、山を越えている内に日が暮れてしまい、今夜の宿はどうするかと思いながら歩いていました。
「 今日は野宿か・・・。」
と、山のふもとを見ると一軒の明かりが見えました。
「 あの家にお願いしてみよう。」
明かりの灯る家に近付くと、そこがお寺だと分かりました。
閉まっている門を叩きながら、若い男性は大きな声で言いました。
「 すみません!旅の者です!
一晩、泊めていただけませんか!」
しばらくすると、門がゆっくりと開き、中から和尚さまが出てこられました。
「 旅のお方ですか。どうぞ、お入りなさい。」
「 ありがとうございます!助かります!」
和尚さまは食事を与えてくださり、旅の話をしていると、夜も更けていました。
和尚さまは、若い男性が寝られる様、本堂に布団を敷いてくださいました。
本堂の仏様の像が、静かに佇んでいらっしゃいます。
その仏様の足元には、子どもの姿をした人形が飾ってありました。
若い男性は " なぜあの様な所に人形が? " と思いましたが、旅の疲れもあり、仏様に手を合わせると、すぐに寝付いてしまいました。
丑三つ時。
若い男性は、ふと目が覚めました。
人の気配を感じたのです。
" ん?和尚さま?まだ夜は明けてない様だが・・・。"
若い男性は、人影をじっと見つめていました。
本堂は真っ暗ですが、障子から入るほんのりとした月明かりと、目が暗闇に慣れている為、何となく輪郭が分かるのです。
「 和尚さま?どうかなさいましたか?」
返事がありません。
" 和尚さまじゃない・・・?誰?"
「 うぅ・・・。」
「 ・・・どなたですか?」
「 ・・・寂しかったかい・・・。」
女性のか細い声がしました。
若い男性は、このお寺には和尚さまの他にもどなたかいらっしゃるのだと思い、声を掛けました。
「 どうかされましたか?」
その人影はすーっと仏様の方に進んで、仏様の足元で何やらボソボソと話しています。
「 あの・・・、どうなさったのですか?」
その人影はふと頭を上げ、若い男性の方に顔を向けた様でした。
ですが暗い為、表情などは見えません。
若い男性がもう一度話し掛けようとすると、人影はまたすーっと動き、暗闇に紛れ、消えていきました。
朝、若い男性は、気を失う様に眠っていましたが、和尚さまに起こされ、目を覚ましました。
「 おはようございます。眠れましたかね?」
「 おはようございます。
和尚さま、昨夜、本堂に来られましたか?」
「 いや・・・、もしや・・・、女が来ておりませんでしたか?」
「 はい。顔は暗くて分からなかったのですが・・・。
和尚さまの他にも、いらっしゃったのですね。」
「 この寺には、私一人で住んでおります。
その女は、この世の者ではありません。」
「 !! ・・・幽霊?!」
和尚さまは、話を続けられました。
明日に続きます。
今日もお読みいただき、ありがとうございます。